近年、日本もキャッシュレス化が進み、各種Payを含む電子マネーが活用される場面が増えてきました。
中でも、電車やバスなど交通機関の利用をメインとした交通系電子マネー(ICカード)の存在は、皆さんご存じかと思います。
慣れてしまえばとても便利な交通系ICカードですが、初めて使う方にとっては「どうやって買うの?」「使い方は?」「チャージ方法は?」「どこまでの範囲で利用できるの?」など、不安に感じる面もあるのではないでしょうか。
この記事では、関西で利用率の高いICOCA(イコカ)について、上記疑問にお答えしていきます。
ICOCA(イコカ)とは?
JR西日本公式サイトでは以下のように紹介しています。
「ICOCA」は、鉄道でのご利用はもちろん、ICOCA加盟店ではICOCA電子マネーとして
お買い物の際にお支払いとしてご利用いただける便利なICカードです。チャージをすることにより繰り返しご利用いただけるほか、
引用元:ICOCAとは? │ ICOCA:JRおでかけネット (jr-odekake.net)
全国のマークのある鉄道・バス・お店でもご利用いただけます。
最も利用される場面は、やはり電車やバスなど交通機関の利用時ですよね。
自動改札にカードをタッチするだけで通過できるという利便性は、それだけで持っている価値があるでしょう。
その他にもコンビニやスーパー、自動販売機など、カードをかざすだけでお買い物ができるという便利な機能もあります。
私はよく自動販売機で使用します。小銭を出すのが面倒な場面でとても便利ですよ。
ICOCAの種類
ICOCA
一般的なイコカ。誰でも利用できます。
1枚2,000円(デポジット500円含む)です。
デポジットとは
捨てを防止するために、カードの新規購入時に支払う金額のことを、デポジット(カード発行預り金)といいます。
金額は500円で、払いもどし等によりカードを返却する際に返金されます。
こどもICOCA
小児用のカード。
カード券面に記載された本人に限り、12歳となる年度の3月31日まで利用にできます。
SMART ICOCA(スマートイコカ)
クレジットカードでチャージができるカードです。本人に限り利用可能です。
1枚2,000円(デポジット500円含む)
モバイルICOCA
スマートフォンでICOCAが使えるアプリ。
WESTER IDとクレジットカードの登録でご利用いただけます。
ただし2023.5現在、Androidのみの対応です。
発行手数料、利用料は無料です。
ICOCA定期券
定期券ときっぷの機能を併せ持ったカードです。
チャージしておくことにより、定期券区間外でも改札機にタッチするだけで乗車区間の運賃を自動的に精算することができます。
小児専用のこどもICOCA定期券、クレジットカードからチャージできるSMART ICOCA定期券もあります。
Apple Pay ICOCA
お手持ちのiPhoneやApple WatchでICOCAが使えるサービスです。
ICOCAをウォレットアプリに追加して、鉄道やバス、お買い物でのお支払いに使用できます。
定期券の購入やチャージも可能。
新規発行はもちろん、現在使用中のICOCAカードを移行することもできます。
Apple Pay ICOCAについて詳細はこちら
利用できる交通機関
全国の鉄道会社を挙げると大変なことになりますが、大阪に限ると、JR・地下鉄・大阪モノレール・阪急・阪神・南海・京阪・近鉄・北大阪急行など、よく耳にするものは大抵利用することができます。
よく、旅行者の方に「JRは利用できるの?」「特急電車も乗れるの?」「地下鉄に乗り換える場合はも使えるの?」とご質問をいただきますが、
山間部や温泉地などのバス、ケーブルカーなど、中心部から離れた場所以外は基本的に心配いりません(特急に乗る場合は別途特急券の購入が必要)。
もしご不安な場合は、次項【利用可能エリア】内のリンク先から、利用する予定の路線・鉄道事業者をご確認ください。
関空リムジンバスもICカードに対応しており、もちろんICOCAも利用することができます。
利用可能エリア
ICOCAは主に西日本・関西圏で広く利用されているカードですが、実は、全国のマークのある鉄道・バス・お店で利用できます。
交通系ICカードは全国にあり、複数の鉄道事業者が取り扱っています。
中でも下記の10種類は、全国相互利用サービスが適用されており、全国各地で鉄道やバスを利用することができます。
また電子マネーとしても、ICOCAは全国各地で利用することができます(PiTaPaのみ対象外)。
カード名称 | 鉄道会社 | 利用可能エリア |
---|---|---|
ICOCA | JR西日本 | ICOCAエリア |
Kitaca | JR北海道 | Kitacaエリア |
PASMO | 東京メトロ・京急など | PASMOエリア |
Suica | JR東日本・札幌市交通局など | 札幌・仙台・新潟・首都圏 Suicaエリア |
manaca | 名鉄・名古屋市地下鉄など | manacaエリア |
TOICA | JR東海など | TOICAエリア |
PiTaPa | 阪急・阪神・地下鉄・京阪・近鉄・南海など | PiTaPaエリア |
はやかけん | 福岡市地下鉄 | はやかけんエリア |
nimoca | 西鉄など | 函館・宮崎・福岡・大分・熊本・佐賀 nimocaエリア |
SUGOCA | JR九州など | 福岡・佐賀・大分・熊本・長崎・宮崎・鹿児島 SUGOCAエリア |
つまり、ICOCAさえ持っていれば、ICOCAエリアはもちろん、Kitaca、PASMO、Suica、manaca、TOICA、PiTaPa、はやかけん、nimoca、SUGOCAの各エリアでも鉄道・バスなどを利用できます。
※こどもICOCAでご乗車の場合、各エリアともこどもの運賃が適用されます。
注意点
ICOCAが利用できるのは、エリア内での移動のみ
一般的なICOCAで利用できるのは、エリア内完結の場合のみです。
各エリアをまたがってのご利用はできません。
エリアを越えて利用する場合は、あらかじめ乗車駅で目的地までのきっぷを購入しましょう。
もし間違ってエリアを越えてしまったら、駅員さんに申し出て、乗車駅からの運賃またはエリア外で発生した運賃を現金で支払います。また、ICOCAの入場情報を消去してもらう必要があります。
200キロを越えての利用はできない
ICOCAエリアでは、基本的に営業キロ200kmを越えて利用することはできません。
現金でのチャージが必要
ICOCAは、オートチャージに対応していない為、残高が減ってきたら、その都度券売機でチャージする必要があります。
もし改札を出る時に金額が不足していたら、のりこし精算機でチャージをしてから改札を通過すればOKです。
一般的なICOCAのチャージでは、クレジットカードや電子マネーは利用できず、現金のみです。
現金を持ち歩きたくない方や、クレジットカードのポイントを貯めたい方などは、クレジットカードからチャージができるSMART ICOCAがおすすめです。
関西圏の現地で買えるのはICOCAだけ
交通系ICカードといえば、Suicaが特にメジャーですが、ICOCAエリアの駅や券売機で購入できるのはICOCAのみになります。
ICOCAの買い方
JR西日本のICOCAエリアの駅の「みどりの窓口」、またはマークのある自動券売機でも購入できます。
金額:1枚2,000円(デポジット500円含む)
※一部の自動券売機では1,000円、3,000円、5,000円、10,000円(デポジット500円含む)でも発売します
尚、現金での購入のみになります。
- 券売機の『ICOCAを買う』を押す
- 購入金額を選択
- 現金投入画面が表示される
- 現金を入れる
- ICOCAが発行される
尚、こどもICOCAは、券売機で購入ができず、窓口のみでの取り扱いとなっています。
「こどもICOCA購入申込書」に必要事項を記入して申し込みます。その際、利用するお子様の名前、生年月日が確認できる公的証明書(健康保険証・パスポート等)の提示が必要です。
両親など、お子様本人以外でもお買い求めいただくこともできます。
SMART ICOCAの買い方
JRおでかけネットからオンラインで申し込むことができます。※運転免許証が必要
JR西日本エリアの主要な駅に設置されている入会申込書を記入し、郵送での手続きも可能です。この場合、カード発行までに2週間程度かかる場合があります。
カード発行に必要な2,000円は、登録した決済用クレジットカードから引き落とされます。
以前は、JR大阪駅のClubJ-WESTサービスコーナーで申し込みを行うことで、即日SMART ICOCAを発行してもらえましたが、2021年3月31日で営業終了していますので、ご注意ください。
チャージ方法
マークのある自動券売機・入金機でチャージすることができます。
相互利用を行っている他の交通機関の券売機などでもチャージすることができます(一部交通機関の機器で利用ができない場合あり)
また、チャージ対応のICOCA加盟店でもチャージすることができます。
セブンイレブン | デイリーヤマザキ | ファミリーマート | ポプラ |
ミニストップ | ローソン | イオン | MaxValue |
KOHYO | ドラックストア ウェルネス | ツルハドラッグ | ウォンツ |
レディ薬局 | ビックカメラ | ソフマップ | コジマ |
アントレマルシェ | おみやげ街道 | ファッションセンターしまむら |
尚、カード内残額が20,000円を超えるチャージはできません。
SMART ICOCAは、クレジットカードでのクイックチャージが可能です。クイックチャージ専用の入金機で、金額を押すだけでチャージが完了します。
使い方
自動改札機の通り方
- 自動改札機のカード読み取り部にICOCAを水平にタッチ
読み取り部が青く光っているときにタッチします。
自動改札機の乗車券投入口は入れません。 - 「ピッ」または「ピピッ」などの音が鳴ります
自動改札機がカードの情報を読み取れない場合は、「ピピピピピ」と音が鳴り、ゲートが閉まります。
画面に「もう一度ふれてください」と表示されたら、再度、カード読み取り部にタッチします。- 案内音、画面に出るメッセージを確認しましょう!
簡易型自動改札機・車載型IC改札機にはゲート(扉)はありません。
「ピピピピピ」あるいは「ピー」という音が鳴った場合は、次の利用ができなくなります。 - 駅係員が不在の場合(無人駅等)は、次に利用する前に有人駅の改札口係員に伝えます。
- 案内音、画面に出るメッセージを確認しましょう!
- 降車時にも必ず改札機にカードをタッチ
自動改札機の種類
- ゲート付き改札機
- ゲート無し改札機
- バス車内改札機
お得なポイントサービス
お手持ちのICOCAも、利用登録をすることでポイントを貯めることができます。
ICOCAエリア内の電車を利用したり、一部のICOCA加盟店で電子マネーとして利用すると、利用条件に応じて 「WESTERポイント」というものが貯まっていきます。
貯まったポイントは、ICOCAにチャージして、電車やお買い物で使うこともできます。
利用登録は無料で、利用登録を行った翌日以降の利用分から、ポイントが貯まります。
ポイントサービス利用登録方法
- 移動生活ナビアプリ『WESTER』で
- 移動生活ナビアプリWESTERをダウンロードし、ICOCA番号を連携すれば利用登録完了
- WEBで
- WESTER会員サポートページでICOCA番号を連携すれば、利用登録完了
- 券売機で
- ICOCAエリア内の駅の紺色およびピンク色の自動券売機で利用登録が可能です
ICOCAは気軽に使える
きっぷに慣れている方にとっては、ICカード・電子マネーというものに抵抗があるかもしれません。
しかし、実際は券売機で簡単に購入でき、使う前にある程度の現金を入れておけば、改札をスムーズに通ることができ、乗り換えの度にきっぷを買う煩わしさからも解放されます。
券売機を探して並ぶ手間も省けるので、旅行などでも時間を有効活用することができるのではないでしょうか。
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